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子ども達へのあいさつ

立志館進学教室の城山台校のブログをご覧いただき、ありがとうございます。

最初にどのような記事をアップロードしようか、ずいぶん悩んだのですが、一件目には、塾に来てくれる主役である子ども達にむけたメッセージをしたためようと思います。実は以下に掲げる文章は、もともとHP掲載の塾長あいさつ文のために用意したものなのですが、いささか長い、ということでお蔵入りになってしまったものです。しかし、HPトップのあいさつ文では大人の方がた、保護者の方がたへむけたメッセージを発信しましたので、こちらでは子ども達へむけたメッセージを発するのがよいだろうと考え、今回、改めて掲載することにしました。

僕の言葉が一人でも多くの子ども達の胸に届いたならば、それはとても幸せなことです。

 

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20代も終わりを迎えようとしているいまの僕が、10代の少年少女たちの心情を推察できるなんて考えは、おこがましいかもしれない。それでも、やっぱり老婆心から言っておきたいことがあるとすれば、それは、知は生きるための武器になるよ、ということ、そして、知は君の視界を変貌させるよ、ということだ。

学校で教わることは、大人たちがこれまで歩んできた道のりと、僕たちがこれから進んでゆかなければならない道のりの交差点に立つ、世界の大きな道しるべだ。そこに人びとが書き記していった内容を知っておくことは、無益なことではない。一つに、いつか大人たちと対話する機会をもったときのために、きちんと話し合いを成立させるための準備をしておかなければならないからね。また一方で、その道しるべは、これから君たちが生きる世界がどんな様子をしているか、そこではどんな知識が、ものの見方が、道を切り拓く手掛かりを与えてくれるのか、示してくれもするからだ。もし君がいま、世界に居心地の悪さを感じているのならば、その世界を変容させる方法を教えてくれるのもまた、人類の叡智なのだ。

確かに、ティーン・エイジャーは忙しい。TVやSNSの情報を追っかけなけりゃ、仲間との会話についていけない。先輩や後輩との付きあいだって生まれる頃だ。いいようのない漠然とした不安におののきながら、自分を見つめはじめる時期でもある。恋だってするだろう。でも、約束する。新たな知を獲得し、世界をまたべつの地点から、風通しよく、また細密に見渡せるあたらしい視界を得られた時のよろこびは、格別なものだ。だから、新たな知に到達するための権利をみずから捨て去ることは、おすすめしない。たとえば高校や大学にあがるっていうのは、そういう権利を得ることでもある。そこが賢い連中のつどう場所だったなら、毎日はなおのこと刺激的だ。

いま、君の抱いている問いや疑いは、いかなるものであれ、考えるにあたいする。繊細な感受性のひだが日ごとに成長している君たちの時期は、ものを考えるのにうってつけなんだ。だから、君自身の問いを大切にし、また世界をあらたに見つめ直すための方法を、目印を、最初の一歩を、僕たちはここでわかちあいたい。――なぜって、この生まれたての教室は、君たちが世界とあたらしく出会いなおすため、少なくとも、その一つのきっかけをつかんでもらうための場所として開かれたのだからさ。

(立志館進学教室城山台校塾長 竹野 純)

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トップ画像:19世紀~20世紀初頭のフランスの地理学者エリゼ・ルクリュ(Élisée Reclus, 1830-1905)の著書『人間と地球(L’Homme et la Terre)』に寄せられたフランチシェク・クプカ(František Kupka, 1871-1957)による挿絵。”L’homme est la nature prenant conscience d’elle-même”とは「人間は自己意識をそなえた自然である」の意。

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